「…じゃあ、俺の言うこと聞いてよ。それでいいから。」 もう先生のハジメテは仕方ないから諦めるけど、だから代わりに、俺の言う通りにして? と囁く相良くんの声音が、変わった気がした。 いや、声に張りが出た、と言うべきか。 「…?う、うん…」 訝しみながらも私は頷く。 相良くんは私の胸元に額を乗せたままで、顔を見せない。