あの日は確かにもう来ないでと伝えた。 私の気持ちは知られていないままだったからよかったけど… もし相良くんへの恋情を彼自身に知られたら。 気持ち悪がられたら。 重いと言われたら。 次こそ、ここに来なくなったら。 ――だから、私は。 「…また見てんの、先生」 「っ」 突然の声に肩が揺れる。 遅れて、私が目を覚ましたのだと思い至る。