ゆれる

「ねぇ彼氏さんと出てってくんないかな?私リビングで見たいDVDあるし」


「でも今日はこれから一緒に夕飯食べようと思ってたの」


「誰と?」


「私と彼と燈子の3人で」


「・・・ねぇそれ真剣に言ってんの?」



「えぇ」



頭がくらくらする。


「分かった。じゃあ私が友達ん家行くわ」


ケータイと財布と洋服を適当に乱暴にそこらへんに落ちてたバッグにつめた。


「今日は泊まってくるから、どーぞ彼氏さんとごゆっくり」


私はドアの横で突っ立ているあの女の横を通り過ぎた。




甘くてきつい、気持ち悪い香水の匂い。