今年もだめだった


「由夏、どうしたんだろ?あたしたちが見えなかったのかな?」


見えてたはずだ

そして俺と目が合ったはずだ

隣にいるのはつい1週間前に告られた彼女

俺の待ち人じゃない彼女


俺の隣はずっと由夏がいて、友達だと思っているのは由夏だけ


俺はずっと由香に惚れてる

ずっと好きな由夏

なのに今は隣にいない


「はいっ!郁也」

「ん?」

「ん、じゃなくてチョコ」


彼女から渡されたのはリボンのラッピングの小さな箱


「あぁ……」