「貴方の…名前は?」


「申し送れました。霞と申します」




霞…?




「さぁ柚様!城の者が来る前に!!」




この人…

信用してもいいの…?



それに郁は何処?


紀代の姿もしばらくみない…。





「私…」


「急ぎますよ!」



霞は柚の手を強引に引き襖を開けた。




「ちょっ…」


「…」




襖の外には3人の男が立っていた。

見方じゃない!?


破れた着物に数本の刀…

そして痛々しい古傷。



「あ、貴方達は…!?」






私が言葉を発しようとした瞬間…

腹部に痛みが走りそのまま意識はとんだ――。


最後に微かに聞こえた言葉…




「ふふふ…悪いねぇ柚姫様…」


霞のあざ笑うような声だった…。