だけど…





「私…永朋様のお嫁へ参ります。嫁がせていただきます」


ダメだ…

涙が出てきてしまった…。



頬に光るものを隠すように柚は深く深く頭を下げた。





「ほ、本当ですか!?」



「は…はい」





「明日は祝言じゃ!!」



ギュ


永朋は柚の体を強く強く抱きしめた。





これで…



いいんです。





「(キュウウウ…)」


桜羅が懐に居る事を知らない永朋。


忘れていた柚。




哀れながらも永朋に押し潰されていた。

「(ぐるるるる…)」



それでも何とか怒りを抑えていた。