殿様のことを考えながら郁を見ていると自然と郁の髪の方へ目線がいった。
郁は肩まである黒髪をいつも簪でとめている。
その簪はもう古く柄も消えていた。
「郁、その簪はいつから使ってる?」
「これですか?」
簪を指差していった。
「これは結構前からですね」
もう古くなってしまいました、そう言いながら郁は微笑んだ。
「私ので良かったら・・・まだあまり使っていないから」
懐から蝶の柄の簪を取り出して郁の手に握らせた。
郁は目を見開いて
「ゆ・・・柚姫様!!私のような者が柚姫様の簪を・・・「貰ってちょうだい」
微笑んで郁の髪に付けてあげた。
「すごく似合う!!」
「ありがとうございます!!!」
ちょっと照れながらも嬉しそうに笑った。


