私は馬に乗せられ国に連れて行かれた。





「父上殿や皆を亡くし…さぞ辛いでしょうが、こちらの国の者も皆良き者ですうえ」



私を抱きかかえて馬に乗っている侍が言った。


心配してくれているらしい。






「ありがとう。それより…まだどこの国か聞いていないのですが…?」



「おっと失礼した。我らの国は水楊と申しまする」





水楊。



確か父上がよく話していた。


父上と水楊の殿は仲がよろしかったようで。






「水楊…か」




「お、着きましたよ。あれが水楊でございます!」