「あッ。華那、龍弥おはよう。」
後ろから走ってきたのは湧君だ。湧君が走ってきて
"おはよう"と言って私に近づいてくると龍弥は不機嫌になった。
『湧。お前さーそんなに華那と学校行きてーの?。』
いきなり、龍弥がピリっとキレて強い口調で湧君に問いかけた。
湧君はいきなりの質問に少し戸惑っていた。
「んな事言ってねーよ。」
『いーょ。俺は1人で行くから。じゃッ。』
ほら…やっぱり最近龍弥はおかしい。
すぐ怒るし、人を置いて帰るし…。
「…龍弥…。」
私は小さく呟いた。
「…華那…ッ。行こうか。」
「えッ?あぁ、うん。」
そう言って私達は龍弥の後を追い学校へ行った。


「龍弥?さっきはどうしたの?。」
私は龍弥の席まで行き問いかけた。
『…別に…。』
そんな1言だけを残し席を後にした龍弥。
何で怒っちゃったのか私には全く分からない。
昔からそう。理由も無しに怒る。
私は龍弥の後を追った。
「ねー。何でいつも理由無しに怒るの?わけ分かんないよ。」
私は強い口調で言った。
『…理由無しなんかじゃねーよ。』
「…えッ??。」
龍弥は眉間にシワを寄せて睨んだ。
『理由無しなんかじゃねーつったんだよ。』
「は??。だったら言ってよ!。言わなきゃ分かんないよ。」
言えばいいじゃん。言わなきゃ分かんない。
自分勝手に怒られても分からない。
『華那はさ…結局俺の事幼馴染しか思ってねーじゃん。』
「…それが原因??。」
『そうだよ…。』
そう言って龍弥は何処かで行ってしまった。
仲直りしたばっかりなのに…どうしてこうなるかな…。
"幼馴染しか思ってねーじゃん"って…幼馴染以外何があるって
言うの??。だって、幼馴染以外ありえないでしょ。
龍弥は幼馴染以外になにを求めているの??。
ホントわけ分かんない。
「華那…龍弥の所行ったの??。」
湧君が私の所に来て問いかけた。
「…まぁ…ね。」
「何て?。」
湧君は私に"ごめん"と言う顔をしてまっすぐな瞳で見た。
「…幼馴染しか思ってないの??。って感じ…。」
「それって…龍弥が華那の事…。」
途中まで喋り話をとぎった湧。
「やっぱなんでもない。」
「そぉかッ。じゃぁ、私行くね。」
私は教室へ戻った。考えなきゃいけない。龍弥を
傷付けた理由。