そんな話をしてるうちに学校へ着いた。
やはり、ちょっと遅刻をしてしまった…。先生から事情を聞かれ
龍弥はスパスパ答えていた。
「分かった。もう遅刻すんなよー。戻っていいぞ。」
先生は私と龍弥に事情を聞くと教室へ戻るよう
指示をした。
「華那おはよう。遅かったな。」
話しかけてきたのはさっき噂をしてた湧君だ。
「あぁ、おはよう!!寝坊しちゃって…。」
そう言うと湧君は可愛い笑顔で笑いながら言った。
「華那…ッ。見かけによらずだね?。」
「見かけによらず…それって良い意味??。」
私は笑って答えた。そんな無防備な私に龍弥はイラっとしていた。
「良い意味なんじゃない?か?。」
湧君とは隣の席でよく喋る。だけどいつも龍弥が来る。
でも今日は来なかった。別に来て欲しいわけじゃないけど…。
帰りも今日は先に帰っちゃったみたい。変なの。今日は…。


「華那。一緒に帰ろ??。」
同じクラスの仲の良い子が問いかけてきた。
「あぁー光李!!帰ろー!!。」
家が同じ方面で小学校の頃からの親友。気が合うとても
良い子。
「そういやぁ、今日は龍弥と一緒じゃないの?。」
「あぁ、なんか帰っちゃったのさ。」
何も言わずに帰っちゃうなんてやっぱり最近はおかしいな。
そんな話をして帰った。


家に着くと電話がかかってきた。
「はぃ…もしもし。」
ナンバーディスプレイには"夏樹 龍弥"が表示された。
『あッ。俺…。帰り先帰って悪いな。』
龍弥は自信なさそうな声で呟いた。
「別に大丈夫だけど…。」
『…だけど?。』
「先に帰るなら声かけてょ…。」
別に先に帰るのは悪いわけではない、たまには他の人
と帰ってもいいよ。でも、声くらいは掛けて欲しかった。
『うん。ごめんな…。』
「大丈夫だよ!。」
『まぢごめん。明日は迎えに行くから。』
龍弥はそう言い"じゃぁーな"と言って電話を切った。
やっぱり…幼馴染でも歳が増えていくうちに関係はだんだん
変わっていくと。まぁ、しょうがないって覚悟はしてたけど…。


次の日の朝。いつも通りの時間に起きた。
そして、家を出た。そこには龍弥の姿があった。
『ぉはよ。』
龍弥は眠そうにあくびをした。
「おはよ!龍弥。」
いつものように1日が始まった。