いつの頃から見始めたのか?
不思議で寂しい悲しい夢。
地球を見ていました。
月から見てました。
独りきりで寂しくて泣きながら見ていました。
少年の頃見ていた夢です。

自分が養子とわかったのは高校3年の終わりでした。
東京に進学が決まり、戸籍を移す為に市役所に書類を貰う為に行った時。
諸々の書類を貰い確認の為に見た時戸籍の欄にあった「養子」の文字。
「やはり」と言う思いと、5歳年の離れた弟と別け隔てなく育ててくれた両親の優しさ。
そして2才か3才の頃の微かな記憶が間違いではなかったと言う思い。
すべてが重なって帰り道で柄にもなく泣いていた。
自分は小さな頃白い門と柵のある建物で暮らしていた。
小さかった自分はいつもいじめられて庭で泣いていた。
そんな自分をいつも助けてくれたのは一人の女の子でした。
自分はその人を姉ちゃんと呼んでいました。
姉ちゃんは優しくて自分より大きな子が相手でも僕を助けてくれる人だった。
姉ちゃんとの思い出は古ぼけた木の柱に書かれた文字を見た時「ここは神奈川だよ。」と言われた事。
自分が東京に進学する様にしたのは神奈川に近いから、神奈川にしたら、きっと両親は警戒すると思ったから。
自分は幼い頃の記憶を確かめたかった。
自分が何者なのか知りたかった。
1990年春自分は東京に上京した。
自分の進む道を切り拓く為に、そして過去の自分を探す為に。
大学の生活には自分でも驚く程早く馴れた。