「ただいま。」
「あ、静くんお帰り!あれ?カックン!いらっしゃい!久し振りだよね!!」
「あ!天使だ!た、助けて檸檬ちゃんッ!」
檸檬に命乞いをする加藤。
ムカつく。
「静くん!カックン苛めたらダメだよ!」
「苛めてない。ただのスキンシップだ。」
なぜか、檸檬は加藤がお気に入りで“カックン”なんてあだ名までつけて懐いている。
気に入らない。
「なーに?騒々しいわね。あら、加藤じゃない?久し振り!」
「う、ウハッ!?は、ハイッ!おおお久し振りです…………花梨さん。」
姉さんの姿に恐れおののく加藤。
須具利家は加藤にとって檸檬を除いて全てが鬼門だ。
特に姉さんはヤバい。
挙動不審な加藤の泳ぐ目に、気づかないのか姉さんが加藤の手を掴んで
「ほら、遠慮しないで上がんな!」
「う、ウハッ!?ひ、引っ張らないで下さいッ!」
加藤のささやかな抵抗で、檸檬に向けられた縋(スガ)るような視線は完全無視され。
「檸檬!焼酎と氷!あ、おつまみも!」
姉さんのその声にいそいそとキッチンに向かって行く檸檬。
涙目の加藤は、姉さんに首根っこを掴まれてリビングへ。


