「じゃあ、オレは、中トロとウニとカズノコ。須具利さんはどうしますか?」


「えっ、あ、じゃあ、同じで……。」


あたしの返事にニッコリ微笑む円藤。


─気持ち悪い。


こんな彼を見るのは、同期入社以来初めてで……

あたしは、嫌な予感がして身震いした。






でも、
カウンターに、置かれた握りを食べた瞬間──
そんなのはどっかに吹っ飛んでしまった。


─なにこれ!美味しすぎるよーー!


「…美味しい。」


あたしのつぶやきに満足そうな円藤。


「……オレって、ケチって有名でしょ?」


!?


「んんっ…!…ゴクンッ!!」


いきなりの円藤の問い掛けに頬張ったところのウニを丸呑みしてしまった。


─お茶を飲んで、流し込む。


─ショック!時価ウニを味わえなかった。


ショックで黙り込んだあたしを返事だと受け取ったみたいで


「……やっぱり。」


ポツリと円藤が呟いた。