事務所に入ると、あたしの机の上には10個の包装された物が山になってひしめき合っていた。
おもわず、顔がニマッとしそうになった。
いけないいけない!
あたしは、困った顔で、机の上を見つめて見る。
これも、作戦だ。
手放しで喜んで、あたしが、“鯛”を期待していることを悟られてはならないから。
一人一人の見返り品を想定して、あげるチョコの値段を計算し出したのだ。
あたしがここまでしているのに──
あたしの緻密な計算を壊す輩が、実は約一名いた。
同期入社の“円藤金汰”(エンドウキンタ)。
名前の通り?─金にうるさいし円藤はケチで有名だった。


