「忘れられない女だよ、香織は」 俺はため息をつきながら納豆をかき混ぜた。 「あんな、一言文句言うてもかまへん?」 彼女の目は、俺が納豆をかき回す手先に向けられていた。 「…何?あの時文句言いたかったのは俺だけど?」 「ちゃう。今や」 彼女の視線は、更に厳しいものとなっていた。 今って!! 俺、何かしたっけ?