― 君 色 星 ―






それから、目の前の女が、ハンカチで目元を押さえながらうちに語りかけてきた。





「私…、私が現れることによって、傷つく人がたくさんいたのね…。だから、ちゃんと恵子さんに謝りたかったの。あと…」





うちが目の前の女を見やると、彼女はしっかりとうちのことを見た。





「香織ちゃんを産んだ人のこと、ちゃんと知りたかったの。私も」





うちは、その真っ直ぐな視線に釘付けになった。






この女、弱くない。



強さを隠し持っとんや。





それにきっと……





この家族でうちのこと、一番真剣に考えとったんやないやろか…?