そして、ゆっくり俺の方に振り返った。 「あと、うち、『東野さん』言うて呼ばれんの、気持ち悪うてムシズが走るわ。『香織』て呼んで。絶対やで。……またな、カズくん」 それだけ言い放って、彼女は玄関から出て行った。 …てか、おい!! 何だよ、『カズくん』って!! 俺の方が虫酸が走ったし!!