「三浦さんもそう言いよった。今、彼氏おるんか?」 「う〜ん…。前はおったけどなあ」 「そうか。香織も大人になっとんやなぁ」 「なんや。いつまでも子供扱いしとるし」 うちとケン兄ちゃんは、お互いを見合わせて軽く笑った。 …まだ、笑い合えるんやな、うちら。 「ごめんな、香織」 笑い終わって一瞬沈黙が流れ込んだ思たら、ケン兄ちゃんがうちに向かって頭を下げてきた。