その夜。 うちはカズくんの家のベランダにおった。 「ケン兄ちゃんは、前話した思うけど、うちは兄ちゃんみたいに思て接してきとったんやけど、幼なじみなんや」 同じくベランダにいるカズくんは、天体望遠鏡をのぞき込みながら、うん、と相づちを打った。 「年はちぃと離れとるけどな、ホンマにいつもニコニコ優しくて、兄弟おらんうちにとっては、理想の兄ちゃんやった」