いったん静かになった後、最初に部屋に響いたのは、香織の声だった。 「カズくん…、何でうちが玲子さんと知り合いやって分かったん?」 俺はゆっくりと身体を香織の方に向けた。 香織は俺を抱き締めたまま、クリクリとした瞳で、俺の顔をじっと見つめていた。 「…男の勘、だな」 本当のことを言おうかどうか迷ったけど、別に香織が本当のことを知る必要もないと思ったからごまかした。 香織は『玲子さん』という言葉に傷ついた、張本人なんだから。