「まだ香織には借金を全額返してもらっていませんから」 「借金?」 「はい。ホストクラブの飲食代とサービス料、香織には後払いということにしている分がまだかなり残っているんです」 つまり、コイツらの言う、『ツケ』…ってやつか? ヤツは黒のスーツのポケットから小さな紙切れを取り出し、それを広げてテーブルの上に置いた。 「見て下さい。まだ480万残っているでしょう?」 ヤツに言われるがまま、俺はテーブルの上の紙切れに視線だけ移した。 確かに今日現在の残金が480万円だと書いてある。