「奈緒…。」
言葉を無くした私に、話し掛けてくれたのは茜だった。
「ごめんなさい。」
そう言った茜の目には、今にも溢れそうな涙を溜めていた。
「茜が悪いんじゃないよ。」
「ウチが…一人で解決してれば…。」
「私が、自業自得なんだよ。」
「高橋の言葉も、一理あるよね。」
「えっ？」
「だって、言い方気持ち悪いかもしれないけどさウチが奈緒をレイプしちゃったのと変わらないよね。」
私はいきなりの茜の意外な言葉に、すっかり口を閉ざしてしまった。
「ごめんね、ホントに。」
拭いたばかりで乾いた茜の目に、また涙が溜まっていくのが分かった。
「妊娠…してない…よね？」
「分からない。」
心配で心配で仕方が無かった。
もしも、妊娠していたらどうしたらいいのか。
レイプで出来た子なんて…。
