「ホストなんてさー、女相手にしてる仕事なんだから。」
「葵、優哉が先輩ってなんで言ってくれなかったの?」
「言う必要があった?言ったらあんたはどうした?」
「どうしたって…。」
「また殴った?それとも、ホストを…俺を軽蔑した?」
「私はっ…!」
「あんたは…軽蔑しただろ。」
「…なんで…茜に言ったの…。」
「ホストは、うかつにあんた等みたいな奴が手出しちゃいけないって分からせてやるからだよ。特に優哉になんか。」
昨日の葵はどこ?
あの顔も声も、温もりも。
昨日の優しい葵は…どこ?
なんでこうなっちゃったの?
私が優哉を殴ったから?
私がレイプなんかされたから?
答えなんて、見つからない。
「最低、ホント最低。なんなの、ホストって。チャラチャラして、体体って…。女の人を食い物にして…お前等なんて、消えちゃえ!」
…冷たくて…怖くて…私は無我夢中に叫んでいた。
ホストは、例えどんなに優しい一面を見せても、それは偽りでしかない。
