つくしはムムラから降り、膝をついた
「アリア、どうして」
「ここにいましたか」
「どうしてお前が」
木の横にカクカが立っていた
「爆発する前にあの女の腕を切り落として逃げたんですよ」
「じゃあ、アリアは?」
「肉片となりましたよ」
「貴様!!」
「怒らないでくださいよ、彼女だって解っていたはずですよ」
「そうか、なら、お前が死ぬ事も解っているな」
「君が私を殺すと(笑)」
「あぁ、そうだ」
つくしはムムラの前に立ち、目を瞑った

「あぁそうそう湖の主さん」
「もし、自分の意思で元の姿に戻りたくなったら」
「戻りたくなったら?」
「自分の本当の名前を言ったら戻るから、それじゃあね」

「我が真の名は<グラール>」
グラールは光に包まれた
「なんだ?」
グラールを包んでいた光が消え
光の中から
少年ではなく銀髪の男性が現れた
「誰だ」
「俺はこの湖の主の<グラール>だ、お前を倒す」
「湖の主かなんだかわからないけど、できるものならやってみなよ」
カクカは刀を構えた
「ムムラ、お前は離れていろ」
ムムラはグラールから離れた
「どっからでもかかってこい」
「言われなくても、やらせてもらうよ」
カクカはグラールに襲いかかったが
グラールは寸前のところでよけて
カクカの髪を掴み、地面に叩きつけた
「グハッ」
「次は殺す」
パチン
グラールが指を鳴らすと、湖の中から透明な剣が数本現れた
「死ね」
グサッグサッグサッ
「グハッ」
グラールはカクカの体を宙に浮かし
湖の奥底に沈めた