「待っていたら困る?」

勇気を出して問いかけた。


少し間を開けて智久が

「うん・・・・」と言った。


雪湖は激しく首を振った。


「雪湖・・・・・・・。
誰かに絶対に幸せにしてもらえ。
愛されて、暖かい家庭を持って
いつも食卓に笑いがあって
おまえは優しい笑顔で子供を抱きしめるんだ。」



「それがあなたじゃなくても?」



「俺じゃない他の誰かに
たくさん愛してもらうんだ。」



「あなた以外考えられないの。
小さい頃からずっとあなたしか
見てない・・・・・。」



すがるような瞳に
智久の心は痛んだ。