夜 なかなか眠れなかった。


智久が来る・・・・・


そう思うと複雑だった。


智久に愛される資格があるのだろうか


抱きしめられたら
ヘナヘナと腕の名中に居座るだろう
自分がいる。


 それでいいの?


智久の中にあるのは
ボロボロになっている
雪湖への同情



同情と罪悪感がまざっていて


もし胸に飛び込めば



雪湖の痛みを智久に
負わせることになるのは
辛かった。


智久には
汚れない雪湖を愛してほしい


朝早く
雪湖は美春のマンションを出た。



『おねえちゃん
ありがとう、幸せになってね』


行くあてなんかない
どこへ行ったらいいんだろう