「結婚してくれますか?
今よりずっと貧乏になるかもしれないけど」


三原に言われたのは
少し前だった。


泣いて泣いて
別れた三原が今、美春の前に
立ってプロポーズをしてくれた。



「もちろんです。
あなたと別れて辛かった。
一緒にいられるなら
どんなことでも耐えられるわ。
夢みたい……」



三原に久しぶりに抱かれた。


「もう離さない」

三原はそう言って美春を抱いた。



智久から電話が来たのは
その少し前・・・・・



「トモくん どうしたの?」



「あのさ・・・
迷ったんだ、言っちゃダメなことかも
しれないけれど・・・・
愛し合ってるのに誤解してては
ダメなんだって思う。」


「何を言ってんの?」



「三原さんさ・・・・
おまえをまだ忘れられないみたいだ。
何かを恐れて
おまえと別れたんじゃないか?
それも美春のために……
一度会ってみたら?」



「ほんと?
彼がそう言ったの?」


美春はそうならどんなにいいだろうと
思っていた。