物心ついた時は
姉が抱きしめてくれた。


父親もわからず
母親にも捨てられた
夏絵と智久だった。



母親の存在を気にしたのは


夏絵が美春を産んだ時だった。
それまでは

いつも夏絵と竜平がいて
二人は自分だけのものだったけど
次々と生まれる二人の子どもたちの中で

自分は一人なんだと感じた。



雪湖のような辛い思いはしたわけでは
ないけれど・・・・・


家族というなの絆が
強くなるたび

自分の孤独さを感じる。

優しくしてもらっても
不自由がなくても


ここにいていいいのか

そう思いながら生きてきた。