「係長」

あの大変な時期を乗り越えた
功績で
智久は係長になっていた。



この若さでの出世に
自分を知らない人間は


「社長のコネ」と噂した。


智久は
どんなに頑張ったとしても
社長のコネとしか
見られないジレンマを感じていた。



竜平はそんな人間ではないのを
いちいち言ってまわるのも
面倒なことだった


「言わせておけばいい」
と思いながらも

これからずっとこうして
評価されないのかと思うと
辛かった。