「真冬と知り合いなんだね。」


「うん、ま~知りあったって感じかな~」



恭吾は真冬とのいきさつを
教えてくれた。


試合の日、お腹の調子が悪くて
地下鉄に乗る改札を
抜けれずにいた。


トイレが心配でもう何本か
地下鉄を見送った。



「メンタル弱いよな~」


それが恭吾の悩みだった。



改札でそんなことをしてると
ひとりの女の子に気がついた。



地下鉄の料金表を見上げて
不安げに周りをキョロキョロしてる
真冬が視界にはいってきた。



困ってる様子に声をかけた。


「どしたの?」


真冬は一瞬警戒した様子だったが
相手が学生だと知ると
警戒心がとれたようだった。


「いまひとつわからなくて」


真冬は、競技場に行く行程が
わからなくて困っていた。