真冬が去った店の中で
気が抜けたように
雪湖はぼーっとしていた。


しばらくして帰ってきた恭吾に
兄夫婦がコソコソ話をしていた。


雪湖の背中を強く恭吾が
叩いた。


「痛~~い!!!」
雪湖は振り向いて立ち上がった。



「よう!!
何ぼーーっとしてんだよ」




「おかえり・・・・
足の具合どうなの?」




「ま~ま~だよ」



「早くよくなるといいね」



雪湖が微笑んだ。



「従妹来てたんだって・・・」


恭吾はすまなそうに言った