目の前で微笑むのは


利香・・・・・?



「稔さんは、ママのおにいさん?」



ハッと我に返る。



「そうだよ。
だけどね、両親が再婚同士だったから
血のつながりはないんだ。」



「いつから知ってたの?」



「ずっと前から心配してた。」


雪湖は


「心配してくれてる人がいたなんて
知らなかったわ。」

そう言うと肩をすぼめた。


「私は両親に捨てられてからは
ひとりぼっちだったから・・・・・」

風が雪湖の髪の毛を揺らした。