僕はマスターを呼んだ。

「ねぇマスター、このカルパッチョにかかっているソースが何なのか、そろそろ教えてくださいよ」

「残念ですが企業秘密」

「企業ってほどの店じゃないじゃない」

「失礼ですね。サラリーマンには言われたくないです」

マスターはおどけた表情で言った。僕は笑った。


“epigonos”のカルパッチョはとても美味しい。