【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて③―先生とSweet life―




先生が私の体をそっと離す。


先生の膝の上に置かれたチョコレートの箱。


先生がチョコレートをひとつ摘んだ。


それを口に入れて食べる先生。


そして……。


再び、私の体をギュッと抱きしめると、私の唇に先生の唇が重なった。


チョコレートのように甘くてとろけるようなキス――。


口の中に広がるチョコレートの甘い甘い香り。


唇をそっと離す。



「俺は……もしかしたら世界一の幸せ者なのかもしれない」


『どうして?』


「だって、バレンタインの夜に嬉しいことが、ふたつもあったから……」


『嬉しいことがふたつ?』


「ひとつはハルからもらったチョコレートだろ」


『うん』


「もうひとつは……」



先生はそう言うと、私の体を少し離して、目線を私のお腹に移した。


私がお腹に手を当てると、その上から先生の手が重なった。


そして目線を私の方に戻す。



「もうひとつは、大事な大事な宝物を授かった」



先生はそう言って、優しく微笑んだ。