『最近、子供連ればかりに目がいっちゃって……。私の周りも子供がいる人が多いし……』
「そうだよなぁ……。俺もそうなんだよ」
『先生も?』
「あぁ、俺もハルと同じで子供連ればかりに目がいくんだよ……。咲哉や吉川のとこの子を見るといいなぁって……」
先生も私と同じだったんだ……。
でも…………。
『でもね……先生?』
「ん?」
『私……子供を育てる自信がないんだ……』
「どうして?」
『耳が聴こえないから……だから……』
世の中には私のように聴覚障害者の人は沢山いて、それでも子子育てしてる人は沢山いる。
でも私に出来るか不安なんだ……。
「なぁ、ハル?子供ってさ、1人で育てるもんじゃないだろ?夫婦で育てていくもだろ?」
『そうだけど……』
わかってるよ。
先生の言ってることはわかってる……。
だけどね……。
『先生が仕事に行ってる時とか……』
「その時には、うちの親やハルのお母さんにお願いすればいいんじゃないか?」
『…………うん』
でもね……自分のだから、やっぱり自分の手で育てたいって気持ちもあるんだ……。