「おはよ~」



ボサボサの髪をかきながら先生がリビングに入って来た。


おはよって……もうお昼だけど……。



「おっ?吉川、来てたのか」



先生が私の隣に座ってきた。



「お邪魔してます。先生、今日ズル休みしたんだって?」


「ズル休みって……お前なぁ……。人聞きが悪い。体調不良だ。体調不良」


「へぇ……体調不良ねぇ……。よっぽど新婚旅行が楽しくて、お疲れだったのね」



麗華がフフって笑う。



「吉川まで校長と同じこと言うなよ。まぁ、当たってないことはないけど……」



先生がブツブツ何か言ってる。


でもそれは私には聞こえない。



「ハル?お腹すいた~」


『はいはい』



私は、朝、先生のために作ったお弁当を置いた。



『これ食べてね』


「うん。いただきます」



先生はハンカチを解いて、お弁当箱を開けた。


私は先生にお茶を出す。


そんな私と先生のやり取りを見て、麗華がクスクス笑っていた。



「何かいいなぁ……。新婚さんって感じで。ラブラブだね」


「いいだろ?だって俺らラブラブだから」



先生が私の肩を抱いてくる。


せ、先生?


麗華の前で恥ずかしい……。