「よろしいですか?」

「うん。お疲れさま。」
古畑刑事がホテルの部屋を出ようとすると、立ち止まる。

原刑事も立ち止まり、たずねる。

「どうかしましたか?」
「ここだけ、なんか濡れてるんだよね。」

床を見ながら、古畑刑事が不思議そうに答えた。

「被害者が死ぬまえにペットボトルに入った水を飲んでいたようです。ペットボトルから指紋と唾液のDNAがついていましたから、おそらく水を溢したものと思われます。」
原刑事がはっきりと答えた。
「そっか………………」
古畑刑事は腑におちない感じだった。