「バイオリン演奏してくれませんかっ!」
『ぇ?』
自分のバイオリンであろう楽器をさしだして言う。
困った・・・。
相沢さんのほうを見ると、ほかの事に夢中になっている。
いまなら・・いいか・・。
「・・お願いします・・っっ!」
『ちょっと・・。だけだけどいい?』
「!!、はぃっっ!」
女の子からバイオリンを受け取って、緊張しながら弾く格好をした。
ひとつ深呼吸をして──・・・。
─────────
─────
──・・・
「ありがとぅございましたっ!」
「気が向いたら吹部へねぇ~」
「はーぃ」
ガラっと扉を閉じた。
『楽しかった?』
「ぅんっ」
『そっか、よかったね』
るんるん気分なのか足取り軽く前を歩いてる。
「雅くんってさ、バイオリン上手なんだねっ!」
ギクっ
機械が動くみたいにクルっと回転して、相沢さんから目線をそらした。
「・・・・?」
『ま、まぁまぁ!!次いこーか。次っ!』
「・・・ぅん?」
