「ん?ぉ、雅じゃないか」
『こんにちは、先生』
入ってきて話しかけてくれたのは、
吹奏楽部顧問、水野先生。
「どーした一体。ぁ、まさか」
「・・・?まさか?」
「吹部にはいってくれるのか!!?」
『違います』
スパーンっと切られてか、「んん・・」っと落ちこむ先生。
相沢さんは状況はわかってないみたい。
「なんで雅くんが、吹部に入ると嬉しいの?」
『・・・・・・』
「なんでって・・。雅、この子知らないのか?」
『転校生』
「あー。なるほどね」
もっとわからなくなってる相沢さんに、先生が話をそらした。
5分だけ体験させてもらえるみたいだ。
「じゃぁ、どの楽器をしてみたい?」
「んー・・」
「悩むなら全部するか!」
「はいっ!!」
見事にノリノリな二人。
案外合うな、この二人。
それから相沢さんは、
トランペット→フルート→ホルン→サックス→アルトサックス→打楽器→クラリネット
この順番で体験した。
さすがにバイオリンとチェロは怖かっただったので、断ったみたいだ。
ぼぉーっとその様子を見てると、一人の吹部の子が話しかけてきた。
「あ、あのっ!」
『ん?』
