スタジオに入りマイクの前に立つ。
自分の位置にマイクを会わせ準備完了の合図を送る。
すると聞き慣れた自分の曲がヘッドホンから流れる。
楽譜を休憩室に忘れてきてしまった。
無くても支障はないけど、あるなしではだいぶ違う。
集中しなければ。
しかし今はそれ以上に気にかけなければいけないことがある。
――いるのだ、彼女が。
ガラスを一枚挟んだ向こう側、スタッフ達がいる部屋の壁にもたれかかっている。
『どうしたのHINAちゃん? もう始まってるよ』
「あ、ごめんなさい。もう一度お願いします」
流してしまった。
ヘッドホンから聞こえたスタッフの声で気づく。
こんなことあってはいけない。
再度聞こえてくる自分の曲。
声が出てしまえば後は楽だ。
音に自分の声を乗せて飾らず自然に歌える。
さあ、私の声はどこまで届くだろう。
ガラスを一枚挟んだ向こう側にいる彼女には届いているのだろうか。
――女優、YUURIに。
自分の位置にマイクを会わせ準備完了の合図を送る。
すると聞き慣れた自分の曲がヘッドホンから流れる。
楽譜を休憩室に忘れてきてしまった。
無くても支障はないけど、あるなしではだいぶ違う。
集中しなければ。
しかし今はそれ以上に気にかけなければいけないことがある。
――いるのだ、彼女が。
ガラスを一枚挟んだ向こう側、スタッフ達がいる部屋の壁にもたれかかっている。
『どうしたのHINAちゃん? もう始まってるよ』
「あ、ごめんなさい。もう一度お願いします」
流してしまった。
ヘッドホンから聞こえたスタッフの声で気づく。
こんなことあってはいけない。
再度聞こえてくる自分の曲。
声が出てしまえば後は楽だ。
音に自分の声を乗せて飾らず自然に歌える。
さあ、私の声はどこまで届くだろう。
ガラスを一枚挟んだ向こう側にいる彼女には届いているのだろうか。
――女優、YUURIに。

