まるで、俺の心のど真ん中に食い込むように。


まるで、俺の背中を押すように。


お前は、力のこもった球をミットにくれる。



初めて見たとき思ったよ。

お前は、いい投手だって。

がんばるお前の背中に、1をつけてやりたいって思った。


お前をエースにしてやりたい。
それだけだった。


俺がお前に尽くした分、お前は、目一杯の信頼をくれた。




初めてそれが分かったとき、防具の内側で、涙がでそうになった。






要求した速さ、
コース、
それがいつも正確に届くわけじゃない。


でも、一生懸命の球だってことは分かってた。




マウンドに立つお前の背中には、エースナンバー。

そのさらに後ろには、みんながいる。


信じて投げろ。


俺を、みんなを。



みんなお前を信じてる。








信じて投げろ、自分を、お前の球を。




俺は、お前を信じてる。

俺は、信じてサインをだす。



ミットに収まるボールに、お前が誇りを持てるように。







もっと、もっと、うまく投げさせてやりたいんだ。



お前の放る球を、もっと近くで見たいんだ。

お前の前に座ると、体が震えた。



俺は、お前の球に惚れた俺を誇りに思うよ。