廊下に出れば春風が吹き抜ける。 私の新しい場所。 これが、私の新しい友達。 体育館の前までたどり着くと、A組1番の私は先頭だ。 もう中からは拍手が聞こえる。 「さぁ、1番入って…」 先生の声は微かに私の耳へと届く。 今だ! ここからが一歩なら、 辛い過去も忘れてしまえ。 小さな心には期待を背負って、 光るフローリングの上に新入生最初の一歩を踏み出した。