「由香!また同じクラスだねっ。れいな嬉しい!」

口調がたまに勘にさわるが頼りがいのある麗奈だ。
さらさらの髪は茶色がかって可愛らしい。


「れいなはいいよねぇ…」

口に出てしまった。
癖なんだよなぁ。
中学では気をつけなきゃね。

「なにが?」

「いや、何でもないよ。」

なになに~言ってよ!
という麗奈の声を塞ぐようにしてチャイムが鳴った。

放送とともに聞こえた女の先生の声。

もうすぐ入学式だ。


窓を覗けば遠い遠い山の緑と、

淡く桜の桃色。