「あ、14日なんだけどさ……」
佐伯くんがそう切り出して、バレンタインデーの打ち合わせをする2人。
どうやら夕方まで佐伯くんは部活で、夜に会うみたい。
「じゃ、そゆことな」
「うんっ!」
満面の笑みを浮かべた紗弥に、カッと頬を染めた佐伯くんは
紗弥の耳元に口を寄せて
「俺意外の男に、そんな顔すんなよ」
いつもより低めの声で囁いて
「邪魔してごめんな」
あたしに笑いかけてから立ち去った。
「……佐伯くんって、実は俺様キャラ?」
「え!?」
「丸聞こえだったよ?」
「%$#?@*!?///」
この後しばらく、紗弥が真っ赤だったのは言うまでない。
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