: : ・ ・ ・ 「すいません、いきなり。」 連れてこられたのは、中庭のベンチ。 あたしだけを座らせて、彼は立ったまま話し出す。 「えっと、俺、1年の菅原 仁っていいます。」 少し照れ臭そうに、ハニかむ菅原くん。 少し手で髪をかいてから、深呼吸をすると まっすぐあたしを見つめて 「先輩、これ、もらってくれませんか?」 いつ、取り出したのか 小さなピンク色の箱を、あたしの前に差し出した。