「あっ、えっと、うん。 大丈夫、です」 はっと我に返って、慌てて返事をする。 「じゃ、行きましょうか?」 そう言って首を傾けた彼に また、胸が弾んだ。 「………っ」 階段を下りて、気づく。 彼は、本当に背が高い。 見上げてしまった自分に 見下ろしてくれた彼に 驚いて言葉が出ない。 ふっ、と笑って歩き出した彼に 慌てて付いていく。 はやしたてるように騒ぐ部活仲間。 加速していく心臓。 すべてに気持ちが追いつかなくて それでも必死に、彼を追いかけた。 ・ ・ ・ : :