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「これにしようかなって、思ってるんだぁ…」



昼休みの教室。

あたしの親友の水城 紗弥が、頬をほんのりピンクに染めながら

あたしの前に可愛らしい雑誌を広げた。


「…美味しそう」


雑誌に移る、トリュフの写真。

思わずほころんだあたしに、紗弥の顔がパッと明るくなる。


「だよねだよねっ!

難しいと思うけど……、これくらい、作りたいなぁって」


そう言いながら、紗弥がチラリと視線を揺らした先には

紗弥の彼氏の佐伯 奈津くんがいた。