………まさか。 ふっと過ぎる、この前の彼の姿。 恐る恐る階段のほうへと近づくと 話し声が聞こえて来た。 「なんでなんで!? なんで仁くんがこんな所にいるの!?」 「仁くん帰宅部だよね?」 きゃあきゃあと盛り上がる女の子達を見下ろす、"仁"と呼ばれた男の子。 しばらく黙っていた彼は、小さくため息をつくと 彼女達を拒絶するかのように、はっきりと言った。 「小泉先輩居ますか?」