"もったいない"なんて言ってくれるのが、真奈の優しさ。 「ありがと、真奈。 デート楽しんできてね」 あたしは感謝の気持ちも込めて、真奈に笑って すでにまとめ終えたスポーツバックを肩にかけて 部室を後にした。 「あれ?」 部室棟は2階建てで、1階に男子部、2階に女子部の部室がある。 その2階へと上がる階段の下。 見覚えのある赤茶の髪の男の子が、バスケ部の後輩数人に囲まれていた。