「亜希、あたし、話聞くからね? 何でも話してね?」 あたしを見上げてそう訴える紗弥に、キュッと胸が軋む。 「うん、…ありがとう」 微笑んだあたしに、紗弥も笑う。 そしてあたしの腕を抱くと、再び駅に向かって歩み始めた。 あたしに恋なんて、無理なんだ。 そんなの、ずっとわかってたのに。 出会いを期待してしまったあたしが悪い。 彼の事は、忘れよう。 寒い寒い、2月の日。 自分をまた、嫌いになった。 ・ ・ ・ : :